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山端 拓哉 ZINE 《正方形の広場》

¥1,500 税込

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・サイズA4、32ページ
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・ロシア人の友達から突然送られてきたZINEというのが、コンセプト(妄想)。
《ステートメント》
 私の生まれ育った村の端っこに神社があった。そこでは年に一回、神社祭りがあった。農村の慰安。神社で行われる行事は、あとは初詣だけ。その他の行事は全て、神社の反対側に位置していた公民館で行われていた。定期的な集会、葬式、子供会など。
 大学で社会学を勉強した時、ヨーロッパの町には必ず、広場があるということを勉強した。広場の隣には必ず行政機関があり、行政に文句があれば、広場から町長のいる建物に向かって、批判の叫び声をあげる。またある時は、同じ場所でフェスティバルが開催され、市場が立つ。広場は町の中心に位置し、町にとって重要なイベントや政治は、全て広場が舞台となる。大学生の私は東京に広場を探したが、あるのは公園だけだった。東京は市民の政治参加を回避する、都市のデザインとなっているか。
 ロシアでの留学中、いくつかの町に滞在する機会があった。どの町にも必ず広場があり、広場から教会に向かって、大きな通りがのびていた。私はそれに大きく感動した。自分が住んでいたウラジオストクでは、事あるごとに広場を横切らなくてはならなかった。市場も立つし、祭もある。町の中心にあるもんだから、何かと横切ると近道だし。そんな16ヶ月の留学生活を通して、私は異邦人でありつつも、町の一員になった気がして嬉しくなった。
 帰国してから東京での生活が再び始まったんだけれども、一向に私は町の一員になった気にならない。私は広場を探して、東京をさまよい歩くけど、無いものを見つけることはできない。私は暗室で写真を焼くようになり、暗闇の中で写真に向き合う時間が増えた。写真に写っているのは、祭り、集会、葬式、子供会、政治、市場など。写真とは広場であり、広場とは写真なのだ。

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